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レビー小体病

レビー小体病とは

パーキンソン病、レビー小体型認知症、認知症を伴うパーキンソン病、これらを総合した病気を『レビー小体病』と呼んでいます。

別項で解説しているパーキンソン病と診断された方々の中にも早期または晩期から認知症の症状が現れてくる人もいます。

認知症といえば、誰でも「物忘れ」だけを想像しますが、アルツハイマー病とは違いこの病気では物忘れは目立たない事が多く、記憶よりもむしろ視覚的に問題がおこりやすい病気です。また認知の変動がある事が多く、頭の状態が時間帯や日によって変化しやすい傾向があります。

 

薬に対して強い過敏性があり、非常に強い副作用が出てしまうのが一番の問題点です。したがってこの病気を正しく診断し、副作用による被害を少なくしなければなりません。

レビー小体病の症状は非常に多彩です。一番わかりやすい症状は視覚認知障害(誤認や幻想など)、パーキンソン症状(動作、歩行が遅いなど)、抑うつ症状ですがその他にも特徴的な症状があります。またこれらの症状は一度にではなく、時間とともに順次現れてきます。全ての症状が出揃った状態では既に進行していますが、この病気は薬のさじ加減、調整次第で安定させられる可能性が高い病気でもあります。

 

最初は「うつ病」「アルツハイマー病」「パーキンソン病」と診断されている方々がほとんどですが、ある薬で想定外の強い副作用が出たことをきっかけに病気が発覚する事が少なくありません。

昨今の高齢者の増加に伴い、この病気の方々が急増しているという印象です。まじめで神経質な人がなりやすい病気です。

 

このページをご覧になり、少しでもご家族に思い当たるところがあれば、当院を受診してください。

レビー小体病の多彩な症状

1

レム睡眠行動障害(睡眠障害)

2

抑うつ症状

最も早くから現れる症状です。浅い睡眠中にうなされて、悪い夢を見たり、大声で寝言をつぶやいたり、奇声をあげたり、暴れてベッドから落ちたり壁にぶつかったりします。

睡眠薬は効きすぎてしまう危険性があります。

気分がふさぎ込み、悲観的な考えで、意欲や自発性が低下します。悪化すると食事を食べなくなったり、外出をしなくなったりします。高齢になってから「うつ病」と診断されるような方はこの病気の可能性が高いと考えます。

3

視覚認知障害/誤認・幻覚(幻視)→ 妄想

4

認知・意識の変動(悪化)→ 一過性意識障害

実際とは違うような形に見える見間違いや錯覚が起こったり、実際には見えない人物や動物が見える、または気配を感じるという訴えがあり、本人にとっては真実味があります。幻視から発展して、家族への被害妄想や配偶者への嫉妬妄想に至る可能性があります。

普段は頭の回転が速く、物事の判断や理解も正確にできるのですが時間帯や日によっては頭の回転が悪くなりボーとした表情になります。ひどい場合は日中から眠ってしまったり、意識がなくなったりする事もあります。

5

パーキンソン症状

ドーパミンが不足する事により起こってくる症状です。

安静時の手足がふるえ、全身の筋肉が固くなり動きが悪くなる、姿勢が不安定、声が小さい、表情が乏しい、歩くのが遅い、体が斜めに傾く、飲み込みにくいなどです。

6

自律神経障害

a

起立性低血圧

b

体温調節障害

立ち上がると血圧が20mmHg以上下がり立ちくらみや失神という症状で転倒による怪我の原因になります。

特に夜間に寝汗をかく症状がでます。また低体温にもなりやすく手足が冷えやすいです。

c

過活動膀胱

d

便秘

急な強い尿意を感じて何度もトイレに行きたくなり、間に合わないと尿漏れや尿失禁する。

かなり強く、3日以上でない場合は   〜   の症状を悪化させたり、ひどい場合は腸閉塞に至る事もあります。

1

4

7

薬に対する過敏性

精神科や神経内科で処方される神経系の薬で、普通では出るはずの無い少ない量でも想定外の強い副作用がでます。過度の鎮静によって動けなくなったり眠ってしまう事や、幻覚や妄想の症状を悪化させてしまうことがあります。感冒薬やアレルギー薬、胃腸薬でも具合が悪くなる場合があります。

残念ながら、神経内科や精神科の専門医でも、この病気に対する認識は未だに低く、病気の理解不足により適切でない薬剤や用量で処方されている場合が少なくありません。実際には症状の変化を見ながら、複数の薬を慎重に少しずつ用量を変更していく必要があり、同様の病気であってもそれぞれの方によって薬の感受性に個人差が大きいために、専門医でも薬の微調整は簡単ではありません。うまく薬が合えば、症状は劇的に改善して安定しますが、合わない薬を漫然と続けていると症状が急激に悪化してしまうので細心の注意が必要です。特に80歳以上の方には体重が少なく、腎機能が低下している人が多いため、薬の副作用が強くなりやすく長引きやすいので、出来るだけ早い時期の対応が必要です。

 

◇ 参考図書

1)進行性核上性麻痺(PSP)診療とケアマニュアルVer2

「神経疾患の予防・診断・治療に関する臨床研究」班

「神経変性疾患の予防・診断・治療に関する臨床研究」班

 

2)大脳皮質基底核変性症(CBD)診療とケアマニュアル

「神経変性疾患の予防・診断・治療に関する臨床研究」班

 

3)レビー小体型認知症・即効治療マニュアル

 河野和彦著

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